Dangerous city
chapter5
ビュン!という風切り音。

投げつけられた鎌が、回転しながら俺の頬を掠めていった。

僅かに切れ、頬を伝う血。

それに構う事なく、俺はべレッタのトリガーを引く!

1発、2発、3発!

発射された9ミリ弾は、寸分の狂いもなく錯乱者達の膝を撃ち抜く!

膝の関節を貫通され、いかに興奮状態の錯乱者達もその場に転倒せざるを得なくなる。

過度の興奮状態は痛覚を鈍らせる。

だが、それは鈍らせているだけであって肉体がダメージを受けていない訳ではない。

膝を撃ち抜かれれば足は動かなくなる。

こちらの弾丸も限りがあるのだ。

重要なのは錯乱者達を殺す事ではなく、一時的に動けなくしてこの場を切り抜ける事。

その為にも、無駄な殺生は避けるべきだった。

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