HEARTY DAYS
「前に聞いたことがあります。痛みが分かる人は人を絶対に傷つけないとか。
アサさんは分かりますか?」


私が頷くと彼は安心したように微笑んでくれた。


「じゃあ何も心配することないですよ。本当は学校に行きたいんじゃないですか?」


(そうだよ)


「行きたいのに、行けないから『行きたくない』なんて言ったんですよね?」


(そうだよ、行きたくないなんて思わない)


「その方が気楽だし、面倒じゃないって、思ってたんですよね?」


(押し通すより、大人しく下がった方がいいと思ってた。下手な弁解するより、周りに反発するよりマシだって思ってた)



ヨルの言葉の一つ一つに私の心が正直に返事を返す。

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