HEARTY DAYS
窓の外は、あの長い説明を聞き始めた頃より、さらに夜の濃さを増して黒みがかっていた。


母は髪をかきあげて、魂が抜けるほど深い溜息をついた。


「ごめんね、お母さん」


私がそう言った途端に、母は素早く笑顔を作って見せた。

私がいるのも忘れて、うっかり溜息をついたに違いない。


「いいのよ。もう起きてしまったことなんだから。仕方ないわ。もう一人の先生は、……ロボットだから、安心して何でも話せるわね」

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