HEARTY DAYS
「アサさん! 忘れ物!」


ヨルが玄関に出てきた。


彼が私に向かってくるのと同時に、私も彼に向かって行った。


手渡されたのは、〝川柳亜沙〟の理科の教科書とノート。



私はそれをしばらく見つめた。



これはただのナンバリングなんかじゃない、期待と希望の詰まった……
いや、詰め直された新しい名前──。


「遅刻しますよ、急いで」


急かされて、慌てて鞄にそれを入れた。

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