HEARTY DAYS
怒ったり顔をしかめたりもせず、優しく慰めるように言ってくれた。

それはそれで嬉しかったのだけれど、同時に物足りなさを感じていた。


両親でさえも、ことの真相を信じてくれなかったからだ。


「きっと、一緒に生活していれば、気持ちも落ち着いて高校にもまた通えるようになるわ」

「嫌だよ。私、学校なんて行かない」

「ただいま。──もう利用手続きはしたか?」


たった今帰宅した父の声。


時計を見ると7時半をさしていた。

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