世界で1番愛してる
第一部
自覚
「静音、好きだよ。」
自覚がない恋愛の自覚をさせてくれるのはいつも貴方の言葉だった。
みんなの人気者で地元じゃ有名人な貴方の彼女でいる自信がなくて…気付かれないように泣いてる私の自信をくれたのはいつも貴方のその魔法の言葉でした。
「シズー、今日みんなでカラオケ行くけど行かん?」
「んー…邪魔じゃない?」
「何言ってんの?シズは俺の彼女なんだから邪魔なわけないっしょ?
それに…俺は一緒にいたい。」
大好きな貴方…涼太と付き合いはじめたのは一年前の夏。
出会ったのはゲームセンターで…ダンスゲームが異様に上手い涼太に見惚れていたら声を掛けてくれた。
それからすぐに付き合いはじめて一年経った今でも仲良くやっていると思う。
「………行く。」
「うし。あ、スカートは駄目だからな!」
独占欲が強いのか涼太は私がスカートを履くのを極端に嫌がった。
私も涼太の言うようにしてきたし、それで一緒にいられるならスカートなんて履けなくたってよかったんだよ?
「あと俺から離れない事。わかった?」
「はぁーい。」
「よし、いい子だね。」
前髪をかきあげてくしゃくしゃしてくれる大きい手が好き。
さりげなく繋いでくれる暖かい手が好き。
目尻を下げて可愛く笑う笑顔が大好き。
涼太のすべてが大好き。