Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 運が悪かったら、あの男に会った三人とも、死んでいてもおかしくない。

 そう思わせる、緊張感が、アイツにはあった。

 できる事ならば、二度と会いたくはない、相手だった。

 しかし。

 あの男は、僕が追い求めた情報を握っているようだった。

「吸血鬼の居場所」を。

 赤髪の男は、吸血鬼を食べた、とは言った。

 この日本に、どれだけの吸血鬼が居るのかはわからない。

 しかし、まさか奴一人で全滅するほど、吸血鬼は弱くも少なくもないだろう。

 生き残った吸血鬼の手がかりが、奴の周囲にあるはずだ。




 僕は、そう信じたかった。

 
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