Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
中等科と高等科の合同の校庭の隅。
手入れされた林の縁に、問題の体育倉庫があった。
ばらばら殺人事件が起きてから、だいぶ日にちが経っている。
しかし、まだ警察が張り巡らせた進入禁止の黄色いテープとブルーシートはそのままになっていた。
殺人事件の犯人が赤髪の男だったら、奴のねぐらはこの近所なのだろうか。
あんなに目立つ奴が、人間にみつからずにどこか遠くからやって来るとは考えづらかった。
僕は、風を読むように、男の気配を探る。
しかし、特に変わった様子はない。
僕は、ひょいと、黄色いテープをくぐろうとした。
と、その時。
静かな声に、呼び止められた。
「すみません。ここはまだ、立ち入り禁止なんですよ」
声のする方を振り返ると、スーツを着た男が、僕をみあげるように立っていた。
手入れされた林の縁に、問題の体育倉庫があった。
ばらばら殺人事件が起きてから、だいぶ日にちが経っている。
しかし、まだ警察が張り巡らせた進入禁止の黄色いテープとブルーシートはそのままになっていた。
殺人事件の犯人が赤髪の男だったら、奴のねぐらはこの近所なのだろうか。
あんなに目立つ奴が、人間にみつからずにどこか遠くからやって来るとは考えづらかった。
僕は、風を読むように、男の気配を探る。
しかし、特に変わった様子はない。
僕は、ひょいと、黄色いテープをくぐろうとした。
と、その時。
静かな声に、呼び止められた。
「すみません。ここはまだ、立ち入り禁止なんですよ」
声のする方を振り返ると、スーツを着た男が、僕をみあげるように立っていた。