Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 日本人の平均身長より、少々低めの青年だ。

 顔立ちが、エラく整っていて、まるで人形を見ているようだった。

 学生でも、教師でもなさそうだ。

 しかし、この綺麗な顔は、どこかで見たことがあるような気がした。

 初対面のはずなのに、どこで見たのだろう。

 思わず首を傾げていると、彼は、僕の顔をしっかり見て言った。

「あなたは、『angel・house』の鈴木真也さんですね?」

「そう……ですが……?」

「私は、今回の事件を担当している県警の刑事で、大槻 穣(おおつき ゆたか)と申します。
昨日は、大変でしたね。怪我の方は大丈夫ですか?」

 そうか。

 凛花。

 吸血鬼の魅了が効かない少女の、大槻 凛花に似ていたんだ。

 ……名のられて、はじめて気がついた。

「えっと、大槻 凛花さんのご兄弟ですか?」

「……妹を知っているんですか? 凛花は、あなたのカウンセリングを受けましたか?」
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