Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 ……なるほどね。

 本当に油断ならない。

 もしかしたら、コイツは、あの赤髪の男よりも厄介な相手のかもしれなかった。

「まさか……無理でしょう」

 僕は素知らぬ顔で、笑う。

「まあ。いくらなんでも、250キロですからねぇ。
 柔道をやっていても難しいでしょうが、鈴木さんだったら、火事場の何とかで、あるいは、と思ったんですよ」

 穣も穏やかな笑みで返したが、互いに、少しもそう思ってないことは、明白だ。

「あと、二つほど、話を聞いてほしいのですが」

「なんでしょう?」

「先ほどから話していた、凛花の友人の篠田陽菜子が昨日より、行方不明です。
 最も、もともと家出ぐせのある生徒でしてね。
 今までも無断外泊を何度も繰り返してるので、あまり大騒ぎにはなっていませんが。
 鈴木さんは、居場所にお心当たりはありませんか?」
 
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