Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 


 ひゅおっ!

 がしっ!


 飛ぶように繰り出される手を、今度は右足で踏みつけた。

 肘の辺りを足でがっちり固定すると、手に持っていたシャベルで、自由なもう一方の手と応戦しながら土をどかす。

 あっという間に、化け物の体のほとんどが外に出た。

 効果は、すぐに出た。



 うぎゃああああ



 大分傾いた、しかも雨でも降って来るのか、雲で陰りはじめた弱い陽の光に照らされて、化け物がのたうった。

 そんなにも弱い光にも関わらす、陽の光にダメージを負ったのだ。

 こいつも吸血鬼……か。

 だとしたら、僕とも赤髪とも違うタイプだ。

 一瞬唇を噛みしめ、叫ぶ。

「凛花! 行って!」

「はい!」


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