Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 意識を保たなければ。

 せめて、意識だけでも保っておかないと、こんな敵のただ中で、生きられない。

 例え身体か動かなくても。

 今、少し、生きるつもりになったのならば。

 凛花の心配そうな顔を見ながら、唇を噛みしめる。



 それにしても、なぜ。

 ……松嶋は、なぜ、僕を倒す気になったのだろうか。

 昨日までの……いや、校庭に出る直前までの時点では、むしろ、友好的だと思ったのに。

 凛花への好意……は、関係ないだろう。

 見た感じは、限りなく凛花の一方通行のようだし、例え違っても。

 命を狙われてしまうようなことをしたつもりはない。

 やはり、ここは、土山の化け物あたりと何か関係があるのかも知れなかった。
< 151 / 298 >

この作品をシェア

pagetop