Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「………悪かった」
涙に濡れた凛花に、僕は、誓った。
「もう二度と、こんな風にはお前を触らない………」
「残月の所へ、連れて行ってくれる?」
感情が、散々に乱れ、もうろうとなっているだろう、凛花。
それでも、彼女の望みは、たった一つだけだった。
残月を、助けにゆくことだけ。
悲しいほど一途な願いだけだった。
「ああ」
そうだね。
十分以上に対価はもらったから。
「僕が必ず、連れて行ってあげる」