Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「覗き見する隙があったら、探しモノの手伝いをしてくれ」

「……その絵の少女、ですか?」

「……ああ」

 僕の寝室を飾る、唯一の装飾品は『絵』だ。

 とても古い肖像画で、描いた後、長い年月を物置で眠ったままだった絵は、相当痛んでいる。

 けれども。

 よく見れば絵の中に三人の顔が描かれているのが、はっきりとわかる。

 老人と二人の子供だ。

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