Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「皇子! 駄目です!」

「うるさい!
打って来る場所さえわかれば、弾になんか当たらない!」

 止める残月の手を振り払い、僕は穣に向かって一直線に間合いを詰めた。

「うあああああっ!」



 パン! パン!




 乾いた二発の銃声が、僕の大腿部と頬を掠めて飛んだ。

 そんなモノに構わず、僕は、穣の胸ぐらを掴み、高々と持ち上げて揺する。

 突然の強い衝撃に、穣は、拳銃を取り落とし、うめき声を上げた。

「お前が今まで凛花を傷付けていたのなら、僕の方が殺してやる……!」

「先生!
 違……の!
 兄さんじゃない! 兄さんは悪く無いの!」

「なに!?」

 凛花の言葉に、僕は、穣を地上に下ろした。

 穣は、げほげほとむせ込みながら、僕を睨む。

「先生……?
 おまえは……やっぱり……鈴木……か…凛花の……を見た……か」 

「見たぞ!
なんだ、あれは!
 お前じやなければ、誰がやったんだ!」
 
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