Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
……だから、僕は、外に出かける。

 食事をしに、ばかりでなく。

 なんとか、少女の手がかりを探すために、陽の暮れた街を徘徊した。

 しかし。

 そう、簡単にみつかる訳ではない。

 自分が、絵を書いてもらった記憶もあやふやな昔の事だ。

 千里もただの鏡だった頃だった。

 何があったのか、彼女と別れた経緯も、そもそも彼女の存在も、爺は生前、教えてくれなかった。

 爺が死に、最近になって、物置から絵が出てくるまで、僕は何も知らなかったぐらいだ。

どうやら絵を書いてもらったあと、三人で、日本に渡って来たらしい。

 そんな簡単な文献が、僕に取っては、大きな希望になったから。


 仲間が、どこかに居るかもしれない。

 この、世界の果ての「日本」と言う島国の中に。

 僕の、愛しい、銀髪の彼女が。


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