Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「短気なお嬢サマを捕まえるのは、簡単だな」
「黙れ!」
牙王は、ようやく莫迦笑いを止めると、すうっと目を細めた。
「なぁ、皇子サマ。
このまま、キサマの両腕をもぎ取ってみせようか?」
く……!
牙王の手から逃れようと、身をよじるが、びくともしない。
にたり。
牙王が見事に発達した犬歯を見せつけるように、耳まで裂けた口を開いた。
「これで、キサマは、ジ・エンドだ。
苦しかったぜ。
キサマを見るたびに、喉はむやみに乾く。
声を聞くたびに地に足が着かなくて、落ち着かねえ。
そして……何だよ!
コレは!」
牙王が喉の奥で、低く唸った。
「胸が苦しいぜ!
クソったれ!
キサマには、目じゃなく、胸をえぐられた気分だ……!
この痛みは何なんだ!」
牙王は、僕の両腕をひとまとめに掴むと、地面に叩きつけた。
何度も。
……!
受け身一つ取れずに、息が詰まった。
一打ち毎に、僕が壊れてゆくのがわかる。
速さを封じ、手を放しても逃げられなくなるまで、打つつもりなのか。
「黙れ!」
牙王は、ようやく莫迦笑いを止めると、すうっと目を細めた。
「なぁ、皇子サマ。
このまま、キサマの両腕をもぎ取ってみせようか?」
く……!
牙王の手から逃れようと、身をよじるが、びくともしない。
にたり。
牙王が見事に発達した犬歯を見せつけるように、耳まで裂けた口を開いた。
「これで、キサマは、ジ・エンドだ。
苦しかったぜ。
キサマを見るたびに、喉はむやみに乾く。
声を聞くたびに地に足が着かなくて、落ち着かねえ。
そして……何だよ!
コレは!」
牙王が喉の奥で、低く唸った。
「胸が苦しいぜ!
クソったれ!
キサマには、目じゃなく、胸をえぐられた気分だ……!
この痛みは何なんだ!」
牙王は、僕の両腕をひとまとめに掴むと、地面に叩きつけた。
何度も。
……!
受け身一つ取れずに、息が詰まった。
一打ち毎に、僕が壊れてゆくのがわかる。
速さを封じ、手を放しても逃げられなくなるまで、打つつもりなのか。