Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「……母……さ……」

 牙王の囁く声を聞いて、僕の中で何かがはじけた。

「いやだーーー!!」



 命は。



 こんなにも儚くて。



 脆くて。




 僕の手をすり抜ける。





 殺らなければ、殺られていた。




 だけども。



 無駄に消えていい命は、無くて。




 誰にも愛されずに逝くものは。





 一人だっていない……!




 いないんだ!!!








 
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