Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 僕の話を聞いて、目を見開いた残月は。

 そのあと……






 ……深々とため息をついて……




 ぼつりと、言った。




「……あなたです、皇子」

「え……?」

「その、銀髪の少女は、あなたです、皇子」

「な……!?」

 なんだって……!?

 本当に驚くと思考が停止してしまうのは……人間も吸血鬼もたぶん一緒だ。

 僕は、残月が言っている意味を理解できなかった。

 アノ エノショウジョガ ボク ジシン……?

「皇子の話を聞いて……
 私も今まで忘れていたことを、色々思い出しました」

 残月は、目を伏せた。
 
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