Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 その幸せな気分は、残月から服を借りて、着替え終わってもまだ続いていた。

 見回せば、東星学園の校庭は、土山の化け物達に蹂躙され、派手に隆起している。

 非現実的な光景の中、人間達が及び腰で恐々現場検証を始めたようだ。

 例え、吸血鬼が写真やビデオカメラに映らなかったとしても。

 生きた化け物達が、全て僕に惹かれて、地面に潜ったとしても。

 現実に、人間の犠牲者はでた。

 人間達に畏形の存在を、大々的に知られてしまった。

 問題は山積している。

 それでも、なんとかなるような気がした。

 幸せな気分の僕は、最強だった。

 恐れるものは、無いと思えた。


















 ………それ、が来るまで。
 
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