Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 ……美味い。

 女の命の源は、上質なワインのように、僕ののどを潤した。

 快楽の余韻を惜しむように、僕自身を捕らえて放さない、ひくひくとうごめく穴の感覚とあいまって、酔いしれる。

 極上の食物を摂取して、暖まった僕と反対に、女の身体は、急速に冷えて来た。

 興奮して、早鐘のように鳴っていた心臓の鼓動もゆっくり、弱くなってゆく。


 ……とくとく、とく、ことん…


 力ない鼓動を聞いて、僕は、嫌々牙と性器とを女から抜いた。

 彼女の心臓が、完全に止まってしまう前に。

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