Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「な……に……?」

「君は、体育倉庫で、何を見たの?」

「………!」

 今まで、とろけそうだった身体が急に、こわばった。

 僕は、小刻みに震える少女の身体を抱きしめる。

「ごめん。辛い事を思いださせて。
 でも、僕に教えて? 
 君に、何が起きて、何を見たの……?」

 相手が子供でも、同情はしない。

 でも、共鳴して、理解するには、どうしても必要な事だった。

「……勇気を出して、教えて……?」

 僕は、少女の唇に、優しく口付けた。
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