Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 朝礼っていうらしい。

 この、校長の独演会の事は。

 これから、こんなに長い話が毎日か……毎週でもあるならば、僕には、学校でカウンセリング、なんて不可能だ。

 遮光性の布地で出来たスーツのおかげで、人間のように昼間歩けるようにはなったけれど。

 それだって、直射日光の下で平気で居られるほど、僕は強くない。

『えー、それでは今後、君達の心のケアをしてくださる方を紹介します』

 やっと、校長の話が、一段落した。

 隣に立っている、松嶋とかっていう先生が、僕をつつく。

 青ジャージを着た体育教師だ。

 若くてがっちりした男で、僕とは正反対のタイプの人間だった。

 こんなやつだったら、太陽光なんて、へ、とも思わないだろう。

 僕が、暑さでのぼせてぼうっとしていると、もう一度、つつかれた。

 どうやら、僕も何か、話をしなくてはいけないようだった。

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