Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 

 
 どさっ。

 軽い衝撃で、我に帰った。

 瞑りたがる瞼をこじ開けて、起き上がろうともがく。

 …………!

 次に襲って来たのは、ものすごい頭痛だった。

 思わず、頭を抱えると、ぶっきらぼうだけど、心配そうな声が降って来た。

「大丈夫か?」

 まず、青いジャージが目に入った。

「……松嶋……先生」

 太陽と草原の匂いがする。

 この男から。

 不思議とこいつから獣臭い……人間の匂いがしなかった。

 どうやら、僕は、松嶋に抱えられて、来たらしい。

「……あんた、軽すぎ」

「……は?」

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