Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 いきなり、指を差して言ったかと思うと、ドサッと上着をベッドの上に投げだした。

 僕の上着!

 靴も無い。

 僕は、保健室のベッドに担ぎ込まれたようだから、当然だったけれど。

 僕は、本来空を飛ぶ生き物だから、人間に比べて、大分軽い。

 明らかに違い過ぎる体重差を埋めるために、服と靴を重くしていた。

 それがない状態で抱えられてしまったのか。

 さすがに……これは…マズい。

 明らかに、人とは違うのを感じて、何を言われるのか。

 松嶋の次の言葉が怖かった。

……が。

「そんなに自重が軽いくせに、こんな重いもの身につけるな」

 ……は?

「それだけ?」

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