Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 思わず言うと、松嶋は、眉間に深々とシワを寄せた。

「もっと言って欲しいなら言ってやる。
 あんた、ちゃんと朝飯を取って来ているのか? そんな細いから、女の子みたいに、倒れるんだ……」

 がみがみ

 がみがみ

 ……小言を言われたのは、何百年ぶりだろう。

 いや。

 それより、松嶋さん。

 もっと他に、何か気づいた事はないのか。

「……しっかりしてくれないと、ただでさえ動揺している生徒達が、余計に不安がるだろうが……と、大事な事を思い出した」

「……何ですか?」

 おお、さすがに来たか。

 さあ、来い。

 何とでもごまかしてやる。

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