Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「だって、だって!
鈴木さん、あのまま落ちて死んじゃうかと思ったんだもん……!」

「ふふ……それは無いな」

 しゃくりあげる篠田の短い髪を撫でながら、苦笑する。

「たしかに、少しはヤバいと思ったけれど、日光では、死なない」

「本当?」

「大丈夫」

 言いながら、ふと凛花の方を見て「なるほど」と思う。

 こちらも、篠田の付き添いだけで来ているわけではなさそうだ、と言う事に気がついたから。




 ……凛花は、松嶋の姿をずっと目で追っていた。





 ふうん。




 コイツは。




 ……凛花は、松嶋の事が、好きなのか。

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