Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「……血を、もっと差し上げましょうか……?」

 返事に力が入らない事に、気がついたらしい。

 彼女の震える声に、僕は微笑んでみせた。

「いや。今日はもういい。
これ以上取ったら、お前の体の方が持たないから」

 首には僕が噛んだ、秘密の刻印がついていた。

 既に朝礼の前に血液を貰っていたから、彼女の顔色はまだ青い。

 保健室の主なのに、今の騒ぎの中心に居なかったのは、血を吸われて動けなかったからだ。

 先生は、ほつれた髪を直しながら潤んだ瞳で、僕を見た。

「では、これから、毎日学園に通ってらっしゃるなら、輸血用の血液のパックを取り寄せておきましょうか……?」

「そんなことが出来るのか?」

 少し驚いて、僕は聞いた。

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