Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 輸血用の血液パックは、一般の人間がおいそれと手に入れられるものではない。

 普通は、病院で温度管理を含めて厳重に保管されているものだからだ。

 それは、血液が高価だから、ということだけではない。

 型に合わない人間に間違えて投与すると、死んでしまったり、取り返しのつかない事が起こったりする。

 だから血は、病院で使う麻薬など、ヤバい薬の次ぐらいにはちゃんと管理されている、と言うのを看護師に聞いたことがある。

 つまりは、学校の保健室なんかに、傷薬と一緒に置いておけるシロモノでは無いのだ。

「ええ。実は、私、教員免許を持っていますが、医師でもあるんですよ」

「……へぇ、それは珍しいね」

 僕が、素直に驚くのを見て先生は、少しはにかんだ。

「私立東星学園は、中等科から大学院までの教育機関なんです。
この街には今、私たちがいる、中等科と高等科の合同キャンパスしかありませんが、別の場所で、大学や、大学院、他に企業の研究機関とも提携を結んでいるんですよ」
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