Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「ここを出て行ったら……私を忘れて……別の誰かを……抱くのでしょう……?」

「ああ」

「あなたを……支えるだけの力が無いのなら……私の命……本当は……もう……長くないのね……?」

「……ああ」

「それなら……私を……殺して? 私の命を奪って……私をあなただけの……ものにして……」

「……」

「……それとも……私を殺したら……あなたは……警察に追われる……?」

「……それは、ない」

 女の言葉に、僕はそっと息を吐く。

「人間の作った決まりに、僕が縛られる事はない。人が僕を捕まえる事も出来ない」

 僕は、人間ではない。

『闇』の生き物だから。

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