Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「ふうん」

「優秀な人材の育成は、まず、安全な環境と、健康からっていうのが、創立者の方針です。
 東星学園の医学部を卒業した医師が、一年か、二年。
 持ち回りで、各科の学園保健室に詰めることになっています。
 私も、普通の医師と変わらないので、鈴木さんを重症な貧血で輸血が必要と診断したことにすればいいんです。
 合法に近い形で、比較的簡単に血液を手に入れられますよ」

「……なるほど」

 安全な、環境ね。

 そんな所で、今回のような、ばらばら殺人事件が起きれば、校長の話だって長くなるか。

「だから……もし、良ければ、新鮮な血液をいくらでも用意できるんですが……」

「……それは、もう、僕に抱かれたくないって事?」

「……! そんな! そんな事は!」

 明らかに先生の顔色が変わって、首をふる。

「嘘だよ。ありがとう」

 僕は、微笑んだ。

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