Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 




 ……もう、いい。

 僕が、音を上げたのは、午後二時を優にまわった後だった。

 朝一から今までの間、ずっーと、悩み事相談をしていたのだ。

 特に僕は昼食をとる習慣が無いので、その点は良かったが、延々と話を聞いているとさすがに疲れてきた。

 しかも。

 食事の元は大量にいても、実際に、血を飲めるチャンスがない事に、ようやく気がついた。

 誰かと完全に二人きりになるチャンスが皆無だったのだ。

 なんだって、これくらいの年の若い女は、必ず誰かと一緒に行動をとりたがるのか。


 相談を受けたい子達が多かったので、助かった事は助かったけれど。

 最低でも二人、多ければ、四、五人でわいわいと、悩み事にかぎらず色々な事を話してゆく。

 どれもこれも、死体を直接見た篠田よりは大分軽いようなので、良いが。


 真面目に悩んで一人で受けた子だって。

 カウンセリングが終わった途端に、廊下で山ほど待っている友達に、僕が何を言ったのか、何をしたのかすっかり話して聞かせていた。
 
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