夢の跡
彼はある意味利口だ。


先生が来る前に、ちゃんと体裁を整えていたようだ。


「先生が来てたなら教えてくれればよかったのに」


よりによって隣の席の佑太も起こしてくれなかった。


卓海も佑太も、さも可笑しそうに腹を抱えている。


「ひどいな」

「でも案外面白かったよ。なあ、卓海?」

「うん、面白かった」


最大の笑顔を向けられた。


その笑顔に、僕は言葉を失くす。
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