夢の跡
「一緒にいて楽しかった、安心した、時々腹も立った。
でも、それ以前に──」




ゆっくり目を開け、立ち上がる。




「僕と一緒に笑った人間の一人だから──」





〝一緒に笑いあった人〟

〝同じ時間を過ごした人〟




卓海も僕も、少ないながら互いの時間に関わっている。

その時間は忘れるに値するほど短くても、互いに笑いあったという確かな記憶がある。



それだけで、十分だった。

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