夢の跡
そうして気がつくと、辺りは薄暗くなっていた。



……そろそろ家に帰るか。



自転車に乗って、坂を駆け上がる。


帰りの近道はこっちじゃない。

でもなんとなく、遠回りして帰りたくなったのだ。



見上げなければならないほど、本当に急な坂。

ほとんどの人は自転車を押して歩くのに、僕は小学生のように立ちコギで乗り切ろうとする。

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