夢の跡
ああ、懐かしい感じがする……

僕が可笑しなことを言って、よくこんな風に叩かれたっけ。


「お前、こんなとこで何してんの?」


卓海が僕にそう言った。


「新生活の準備。もう帰るところだったけどね。卓海は?」

「別に。ちょっと散歩。……そういえば今日って同級会あったんじゃねーの?」

「あ……うん、行かなかった。……卓海は?」


僕の問いに、卓海は声に出して笑った。


「出れるわけないだろ、みんな俺のこと死んだと思ってるのに」
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