振り向け☆ダーリン!


あたしも腰を下ろして少し手伝う
…ふりをして顔を覗き込む


横顔は、普通

メガネをかけてる。

そんな鼻も高くなくて

まあ…うーん…やっぱり普通かな

目は、

目は…


「あ」

いつの間にかあたしは、
本格的に彼を覗き込んでいたようで

ほぼ真正面に顔があった。

女の子のように真っ赤にして
今にも泣きそうだ。


「ご、ごめん…」

「あ、いえ、こちらこそ!」

そう言って慌てて離れる
初めて顔をあげてくれた。

顔をあげたらイケメン☆
とか想像してたけど
やっぱり普通だった。


「…がとう!」

それだけ言うとバタバタを早足にかけて行った。

っていうか、
がとうってなんだ、がとうって。

と思いながらあたしもその場を立ち去る


彼の歩いて行った方向に。


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