振り向け☆ダーリン!
「あれ?」
そこにはまた、彼が居た
彼もまた驚きを隠せていないのか
ベタに靴を落とした。
「…同じクラスだったんだね」
言ってくれれば良かったのに。
あたしはそんな風に思いながら彼の隣に並ぶ
彼の靴は、『竹内』と書かれた場所に終われた。
「へえー。竹内くんって君のことだったんだ」
あたしは思わず声をあげた。
「…なんで?」
「いや、ちゃーんといつもかかとも踏まれてなくて綺麗に並べられてるなって思ってたから」
「…」
「あ、ほら、あたしその下の『塚本』だからっ」
そう言って竹内くんの方を振り向くと、
初めて彼を正面から見ることが出来た。
彼の目は、
メガネの中にひっそりと生きていた。
何処か遠くを見るようにあたしを見て、
「俺は、塚本さんのこと、知ってたよ」
そう呟いた。