振り向け☆ダーリン!
「ユズホ」
後ろから声がして思わず身を震わせる
「え…?」
「顔。かーお」
「顔?」
「にやにやしてる」
とアキトは自分の頬を人差し指で上に上げた
自分の頬に手を当てて、口元が上に上がっているのを確認する
確認し終わるとなんだかすごく恥ずかしくなった
「何、どしたの」
トス、と軽い音を立てて隣に座るアキト兄
その隣で
携帯の画面を見られないように伏せながらメールを打つあたし
「ユズホ」
「何」
「かお」
と人差し指をあたしの頬に突き刺す
が、思った以上に力が入ったのか
ドスッと音を立ててのめりこんだ