振り向け☆ダーリン!


「ユズホ」

後ろから声がして思わず身を震わせる

「え…?」

「顔。かーお」

「顔?」

「にやにやしてる」

とアキトは自分の頬を人差し指で上に上げた

自分の頬に手を当てて、口元が上に上がっているのを確認する
確認し終わるとなんだかすごく恥ずかしくなった


「何、どしたの」

トス、と軽い音を立てて隣に座るアキト兄
その隣で
携帯の画面を見られないように伏せながらメールを打つあたし


「ユズホ」

「何」

「かお」

と人差し指をあたしの頬に突き刺す
が、思った以上に力が入ったのか
ドスッと音を立ててのめりこんだ


< 30 / 36 >

この作品をシェア

pagetop