振り向け☆ダーリン!
それに、
とアキトは続けた。
「好き、って言葉は不思議なんだよ。
まるで魔法がかかったみたいに本当に好きになっちまう時がある」
「へぇ」
「(お前が小さい時にお兄ちゃん好きー、って何度も言ってたからな)」
何故かうんうん、と自信ありげに頷いていた。
「…うん、ありがとうアキト兄」
そう言って部屋に向かうため立ち上がる。
「おうっ」
「本当に、好きだよっ」
「…え……?」
「じゃあ、おやすみ」
「おっおやすみ!」
ぱたぱたとその場を立ち去る。
アキトが真っ赤な顔をしてるなんて、あたしは知るよしもなかった。
「(小さい時からの、“ありがとう”の代わりに“好き”という言葉を使っちゃう癖、まだ直ってないや…)」
部屋に入ってから、はた、と思い出す。
まあ、家族として好きだからいっか
なんて軽く考えて、
それよりも明日竹内と新たな進展を求めるべく
色々考えながら眠りについた。