振り向け☆ダーリン!


それに、
とアキトは続けた。

「好き、って言葉は不思議なんだよ。
まるで魔法がかかったみたいに本当に好きになっちまう時がある」

「へぇ」

「(お前が小さい時にお兄ちゃん好きー、って何度も言ってたからな)」

何故かうんうん、と自信ありげに頷いていた。

「…うん、ありがとうアキト兄」
そう言って部屋に向かうため立ち上がる。

「おうっ」


「本当に、好きだよっ」


「…え……?」

「じゃあ、おやすみ」

「おっおやすみ!」


ぱたぱたとその場を立ち去る。
アキトが真っ赤な顔をしてるなんて、あたしは知るよしもなかった。


「(小さい時からの、“ありがとう”の代わりに“好き”という言葉を使っちゃう癖、まだ直ってないや…)」

部屋に入ってから、はた、と思い出す。
まあ、家族として好きだからいっか
なんて軽く考えて、

それよりも明日竹内と新たな進展を求めるべく
色々考えながら眠りについた。




< 32 / 36 >

この作品をシェア

pagetop