振り向け☆ダーリン!
2人で並んで歩く
遠くで車の走る音が低く聞こえた
あたし達に会話はなかった。
と、いうか、出来なかった。
何か話そうとすると、
そんな言葉は全部は喉まできて引き返していく
そんなもどかしさでいっぱいだった。
「(こんなこと、今までなかったのに…)」
「ねぇ」
不意に隣で歩く人に声をかけられる
あまりに急で肩を振るわせた
「…そんなに驚かせちゃった?」
「あ、え、うん…」
こんな口ごもってる塚本さん初めて見た、
と彼は小さく笑う。
だけどあたしは図星を突かれてまた小さくなる
「…俺さ、友達とか、少ないんだ」
「…」
「陰に居るタイプの俺と、全く立場の逆な君」
何が言いたいのか
嫌でも悟った
「あたしは」
気づけば、
本当に思ったことを口にしていた。
「そんな君が、好きだと思ったんです」
この気持ちは、
ただただ
真っ直ぐだった