君を






さらり。

染めているのではない、茶色の髪が白い肩にふれてかたかたと震える。



触ってみたい。



その時急に場違いにそう思った。
はじめて。




あの病院で目覚めて以来、触れたいと思った事はなかった。






手を伸ばす。





相良すなおの表情が恐怖に歪む。


瞳には畏怖しかない。





「いや、いやああああああああああああああああああ」








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