君を
白いベットに眠っているすなおはまた線が細くなったのではないか。
永久の腕の中で過呼吸になっているすなおを見た時は血の気が引いた。
記憶が無くても永久は永久のままで、すなおはすなおのままだと思っていた。
でも違っていた。
記憶が無くなってから、何もかもが少しづつずれて、最後には壊れた。
あの息の吸い方を忘れて苦しむすなおを見て、壊れたと思った。
分かっていたのに、大丈夫だと何処かで驕っていた自分の所為だ。
「すなお……ごめんね……」
シーツに伸ばされた手のひらを包む。
昨夜よりは、大分温かいが、まだ自分よりはずっと冷たい手。
「もう、離れないから…」
笑ったら、自分たち3人を一瞬で幸せにできてしまうくらいの可愛い笑顔は見れない。
眠ったままだから、いつもみたいに今日のご飯は何がいい?って聞いてくれない。
「すなお…」