Poker-face
傘の中
黒く塗りつぶされた
闇の中に
大きな大きな
水たまり一つ
声にならない僕の涙
波紋が広がって
貴女まで届けば良い

幾千の銀の針
落ちては弾けて
また光って

ネオンを写した
黒い空色水たまり
輝きは嘘を隠してく

チカチカチカチカ
光るも消えるもしない
蛍光灯は寂しさ募らせて

僕は1人で傘の中
来ない助け舟を
待っていた

叫べば響くだろう
こんな雨の日は
大きな大きな水たまり
僕は溺れて
迷い込んだ偽善者も
睨み付けて追い返す
貴女だけが
見つけてくれたら良い

水たまりの音に
掻き消されて
僕は上手く泣けないの

幾万の針は銀色
落ちては僕の
涙に変わる

誘うようにネオンは
今日も輝くけれど
嘘はもう要らないの

雨に打たれて
待っている
涙で滲んだ道の向こう

貴女が走って来るだろう
拗ねたフリを一瞬したら
許してあげる

早く迎えに来て
雨の数を数えて待ってるから
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