にょっひら

【国王は科学者が真面目に答えてくれたのが嬉しく、そして小さな希望が見えたことも嬉しく、微笑んで言いました。科学者に国王が話を持ちかけてから１年、科学者から連絡が入りました】

科学者「出来たぞ！」

国王「え？」

科学者「命になる前の妖精のクローンだよ！」

国王「へ？」

【国王は間の抜けた返事をします。それもその筈、国王は今まで寝ていたのですから。午前３時です。寝ぼけたまま着替えを済まし、科学者の元へ走りました】

国王「本当に出来たのか？！」

科学者「俺に不可能はない！」

【科学者はだいぶ興奮気味です】

科学者「これを見てくれ。もう成長している」

【そこには試験管ベビーの姿が】

国王「命になる前のクローン…だよな？」

科学者「少し成長するのが早いんだ。あと一週間待ってもらえれば完璧に作り出せる」

国王「恩に着る」

【それから一週間…―】

妖精「初めまして」

【紫の羽根を持つ小さな妖精が口を開きました。それはまるで昔のラブによく似ていました】

科学者「ラブの髪の毛から作り上げたんだ。これで絶滅の危機はなくなった。だろ？」

【国王は穏やかに微笑み、妖精の頭をチョンと撫でました。こうして妖精が溢れかえる時代がまたやってきたのです】