アマテラス!
次の瞬間、オレは腰が抜けるほど驚くべき光景を目にする。
予想外のことに膝の力が抜けて、思わず砂利の上に尻を着く。





そのガキはぼんやりと発光しながら、フワリと宙に浮いたのだ。





「お、おま……ううう浮いて……」

「驚いた? ボクの名前はコトホギ」



オレは生憎ガッチガチの現実主義者だ。
従って心霊や神、超能力、UFOなどの類はハナから信じちゃいない。
だからこそ目の前の光景に心臓が止まるほど驚いている。
オレの貧相な脳味噌で理解できる範疇を超えた。

口を金魚のようにパクパクさせながら宙に浮くガキを見上げる。
“コトホギ”……?
何処かで聞いたことがあるような……。



「もう気付いた? そうだよ。ボクはこの言祝神社の神様なんだ」







思考停止。
なんだ、それ。
カミサマ?
こんなちんちくりんが?


「仕方ないじゃん! ボクだって好きでこんなちんちくりんなんじゃないもん!」



また心読まれてるし。



「最近、みんなの信心がすっかり薄れちゃってボクの力もこんなに弱くなっちゃった。神格の高さは信心の深さに影響されるからね」



ああ、頭が痛い。
きっとオレは疲れてるんだ。
だからこんな訳の分からない夢だか幻を見るんだ。



「だから天照、国のみんなの信仰を取り戻すために、ボクと旅に出よう!」
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