アマテラス!
「大体、ジジイが稼ぎ少ねぇのが悪ぃんだろ。給付金なんてものアテにしてっから痛い目見んだ。公務員根性捨てて別の職見つけねぇと神社の前にオレらが死ぬぜ」

「こんの……脛齧(すねかじ)りが!!」



ダン、と床を踏み鳴らしてジジイが立ち上がる。
グイ、とオレの襟首を掴んだかと思うと、引き戸を開けてオレを裏庭に放り出した。



「何すんだ糞ジジイ!」



尻餅をついてオレは縁側に立つジジイを見上げた。
ジジイはフン、と鼻を鳴らしてオレを見下ろす。



「今の暮らしに文句があるなら自分で稼いで来い、糞ガキ。おまえももう十七だ。そろそろ独り立ちしてもいい頃だ。そこで……」



ジジイは一旦居間に戻ったかと思うと、おもむろに何か箱のような物を投げ付けてきた。

反射的に受け取ったそれを見る。
小脇に抱えられる程の大きさの木の匣。
一面だけ格子状になっており、その側面には『賽銭箱』と汚い字で書いてある。



「……これは何だ」

「賽銭箱だわい」



見りゃ分かる糞ジジイ。
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