アマテラス!
「おいガキ、んなとこにケツ乗せてんじゃねぇよ。バチ当たんぞ」
「癖のあるくしゃくしゃの黒い髪、いつも皺の寄ってる眉間、ガラの悪そうな間抜け面……」
「あ? 何ゴチャゴチャ言ってやがる」
幼児は満足げに大きくひとつ頷くと、キラキラと輝く円らな瞳でこちらを見上げる。
「うん! 間違いない! お兄ちゃんが天照だよね! おじいちゃんに聞いてた通りだ」
まさかこのガキがジジイの言っていた助っ人か?
これは本格的にジジイの痴呆を心配した方がいい。
「ううん。おじいちゃんは別にボケてないよ!」
なんだこのガキ読心術でも身に付けてんのか。
「ついでにコレはね、おじいちゃんの気紛れとかでもないから。コレはもうずっと昔から決められていたことなんだ!」
何わけの分からねぇこと言ってんだ。
もしかしてこのガキ、ジジイと結託してオレをからかってるんじゃないか?
「おいガキ、ジジイに何言われたか知らねぇが、こんな時間にこんなとこフラフラしてんじゃ……」
「ガキじゃないもん! それに天照だってガキじゃん!」
「ああ!?」
いや、どこからどうみてもガキだろう。
っていうかこんな夜中にこんなガキの外出を許すたぁ一体どこの親だ。
とっとと家に届けてやるか。
「あ、そういえばボクの名前を教えてなかったよね」