冷たい月
『いいの?』
『来たい時にはいつでも来い。
もう璃空の部屋でもあるんだから』
恥ずかしそうにはにかむ璃空
鍵を握りしめながら
『うん、ありがとう。
このキーホルダーも気に入った』
『無くすなよ』
『うん、わかった。
それじゃ、着いたら連絡するね』
軽くキスをして送り出した
約束通り
璃空は家に着くと
連絡をくれた
メールだった
ー今、着いたよ。
私の部屋からも見えるんだ、
東京タワーが。
良治、今、見てる?
同じはずなのに私には違って見えるよ。
すごくキレイに見える。
それじゃあ、明日、学校で。ー
絵文字のないメールだったが
璃空らしいメールだった