冷たい月


ダイニングテーブルが

飾り付けられていて

キッチンには

シェフが立っていて

何故かウェイターまで…




『ど、どういう事?』


私は状況がさっぱり飲み込めなくて

立ち尽くしていると



『おかえり、璃空』


良治が嬉しそうに迎えてくれた


『何でここにシェフが?』



『食事だけはって言ったろ』



荷物を寝室に良治が置いてきてくれて

椅子に座るよう促された


しばらくすると

ウェイターがグラスに

いつものミネラルウォーターを

注いでくれ

料理を運んで来てくれた



『何か緊張する…』


『一口食べればそんなのほぐれる』



言われた通り

あまりの美味しさに

緊張なんか

どこかへ行ってしまった

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